2020年第15回プログラムより

 

ごあいさつ            

今回の発表会はオリンピックと同年開催ではない。

選手たちはきっと「東京2020」に焦点を合わせて心身の精進を重ねてきたことだろう。

延期され、舵の取り方を柔軟に変更して対応できるか、試練の機会を与えられた。

 

世界中をパンデミックの渦に巻き込んだ「新型コロナウィルス」の話は避けられない。

すべての命を守る為、たくさんの事を自粛し、忍耐を余儀なくされている。世界中が見えないウイルス危機にある中、

楽しみにしていた演奏会も中止になる等、音楽どころではない状態が続いている。しかしながら、それでは心が乾いていってしまう。

音楽は、研鑽を積むだけではなく、聴くだけでもその心に癒しをもたらし、共存してくれる存在だと再認識できた。

 

このような状況下において「守りと逃げ」だけではなく、

この時を「進化と成長のチャンス(機会)」と捉え、「正しく知る(知識)」「正しく恐れる(危機感)」「柔軟に対応する(知恵と工夫)」

の姿勢で過ごす事で、新しい生活様式や文化も生まれてきている。

 

この発表会も開催するか否か本当に悩んだ。コロナ対策を充分としながら、

初めての試みとして「Live配信」や「アンサンブルも客席に分散して演奏=サラウンド音響効果」を始めとした盛だくさんの工夫をしてみた。

「令和時代ならでは」の文明機器と知恵を利用して、未曾有の経験とともに獲得できた熱い思いをのせた音の表現を、聴いていただけることでしょう。

 

 ワクチンと薬の開発祈願と、医療関係者のみなさまへ感謝の気持ちをこめて、演奏をお届けしたいと思います。